アメリカザリガニのホント

アメリカザリガニのホント


ザリガニ、と言えば本種を思い浮かべ、見た事がないという人はほとんどいないと思われる程メジャーな生き物です。飼育した事があると言う人も多くいることでしょう。
そんなアメリカザリガニですが知名度の割に意外と知られていない事が多いように思います。
今回はそんなアメリカザリガニにスポットをあててみました。





アメリカザリガニのルーツ

■和 名 アメリカザリガニ
■学 名 Procambarus clarkii
■英 名 Red swamp crawfish(crayfish), Louisiana crawfish(crayfish)
■原産地 北アメリカ大陸 ミシシッピ川流域
■寿 命  約5年

アメリカザリガニはその名の通り、アメリカのルイジアナにある養殖場からやってきた外来種です。
昭和2年(5年説もあり)に人間の食用目的で輸入されたウシガエル達のための餌として輸入された約20匹のザリガニが、何らかの理由によって屋外に放たれてしまったことをきっかけに、彼らはこの日本に帰化してしまったのです。

※このページではアメリカザリガニ(以下ザリガニと記載)の各パーツ(部位)ごとの名称や雌雄の判別方法などについてご説明させて頂きたいと思います。



赤いザリガニは珍しい?

本種のイメージはどうしても、「赤い」と思われがちですが、背面から見ると実際には多くの個体が黒っぽい赤褐色、中には鮮明な赤褐色の発色を持つ個体もいますが、自然界では極少数です。
そのようなアメリカザリガニのイメージと、茹でると赤くなる事から、ザリガニと言えば赤、青色の体色を持つマロンやヤビーのほうが珍しい色のザリガニだと思われがちですが世界的に見ると赤色のザリガニのほうが少数派なのです。




アメリカザリガニの体

【 頭胸甲(とうきょうこう)】
頭の先端部分から腹部までの部分を表す。
【 触角(しょっかく)】
短い触角(第1触角)が2対(4本)と短い触角(第2触角)が1対(2本)の計6本
【 額角(がっかく)】
頭の先端部。剣先状になっている部分を表す。


TLって何!?

ザリガニのサイズ表記のひとつとして、TL(ティーエル)というtotal lengthの略が使用される場合があります。
このTLとは、額角の先(頭の先)から尾扇の先端部分までのサイズを示し、全長サイズからは伝わり難かった全体のフォルムや太さなども伝わり易いという理由から多くの方々が共通表記として用いられるようになってきています。

※簡単に言えば、ハサミ(第一胸脚)の大きさを無視した体のサイズを表しています。
ハサミは個体毎に大きさや湾曲具合が異なる為、TLが同サイズのザリガニでも個体の大きさが大きく異なって見えるため、全長は、ハサミを含んだ体の最大サイズという解釈と全長=TLという解釈があるようです。体長は眼窩(目がある部分)の後ろから尾先まで。




アメリカザリガニ各部の名称

【 胸脚(きょうきゃく)】
第1胸脚から第5胸脚まであるがザリガニの特徴とも言える大きなハサミが第1胸脚となる。
第2、第3胸脚の先端部分にも小さなハサミがあり、胸肢とも言う。
【 腹肢(ふくし)】
ザリガニが泳ぐ際はこの腹肢を動かして移動する。遊泳肢や遊泳脚とも言う。
【 尾節(びせつ)】
尾の中央、5枚並んだ尾扇の真ん中部分
【 尾肢(びし)】
尾節の左右に2枚ずつある。合計4枚
【 尾扇(びせん)】
尾節と尾肢からなる5枚の尻尾部分をまとめて尾扇と言う。




アメリカザリガニの雌雄判別方法

【 生殖口(せいしょくぐち)】
オスは精包を出し、メスは精包をとり入れる所
【 可動肢(かどうし)】
ハサミの動く部分。ハサミの上側
【 不動肢(ふどうし)】
ハサミの動かない部分。ハサミの下側
【 掌節(しょうせつ)】
ハサミの手の平にあたる部分
【 セメント腺(せめんとせん)】
メスが腹肢に卵を貼り付ける為のもので、この部位の発達具合で繁殖が可能かどうかの見極めも可能。 オスにこのセメント腺は現れません。

最も簡単な見分け方として、ハサミのサイズや形からでも判断できます。
大きく立派なハサミがオスで、体の割に小さなハサミを持つのがメス。
又、オスのハサミの方が細長く、メスのハサミが寸詰まりなイメージです。ある程度のサイズがある個体であれば、分かり易い見分け方でザリガニに触れずとも判断できるので便利な判別方法と言えます。

しかし、この判別方法では再生爪(再生したハサミ)などを持つ個体やメスの大型個体などではオス個体に見劣りのしない立派なハサミを持つ個体もいますので 確実な判別方法とは言えません。

より確かな雌雄の判別方法としては、ザリガニを手に持ちその腹部の生殖器や生殖口を確認する事です。


生殖器の確認方法

オスは第1腹肢・第2腹肢が生殖器(交接器)となっており他の腹肢やメスの第1腹肢に比べて長い。また、メスは第2腹肢から第5腹肢まで長い。これはメス個体が卵を抱卵するため。


生殖口の確認方法

メスは第3胸脚の基部に丸い小さな穴がある。オスには第5胸脚の基部に生殖口があるが確認はし難い。


他の判別方法もご紹介します。
オスは、第3、4胸脚の坐節に突起がある。メスの坐節には突起は無い。
この判別方法は分かり易く便利です。


繁殖可能なメスはセメント腺が腹部に発達し、白くなってきます。
これは卵を腹肢に付ける為のセメントのような役割をするものです。その為、オスにはありません。未成熟のメスは発達していないので、セメント腺が確認できません。

ハサミを閉じた状態で、隙間ができるのがメスで、隙間があまりできないのがオス。
又、体のラインで判別するといった方法もあります。しかし、これらの方法は個体数を多く見ることによってできなくもありませんが、個体差も多く確実とは言えない為、いずれの方法もお勧めとは言えません。





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